そもそも社長さんの中で、ファッションに気を配っている人というのは、僕の印象だと全体の1割以下だと思います。これは特に驚くべきことでもなく、一般の方でも割合はそんなに大きく変わりません。おしゃれな人というのは、社会全体の1割以下しかいないからこそ、「他との違い」が明確になり、その結果おしゃれに見えているわけです。
でも、社長さんといえば、一般の方よりもお金の自由が効くので、おしゃれな人も多そうな印象ですが、そんなことはありません。確かに多くの社長さんは服にそれなりにお金を掛けています。百貨店で服を買ったり、オーダーでスーツを仕立てたり、人に見られる職業でもあるので、それなりに投資をしている方も少なくありません。
それなのにおしゃれな社長さんが少ないのはなぜなのでしょうか?
ファッションを「任せる相手」を間違えている人が多い
社長さんの多くは、とにかく忙しいですよね。自分でゆっくり服を買いに行く時間の余裕がありません。そうなると、買い物は奥さまに任せっぱなしだったり、百貨店の店員さんに任せっきりだったり、自分以外の誰かに一任することが圧倒的に多くなります。
もちろん、任せた相手がおしゃれであれば、社長自身もおしゃれになるのですが、ところがそう簡単には行かないものです。奥さんはファッションのプロではありません。ましてや女性のファッションと男性のファッションには大きな違いがあります。ですので、奥さまが選んできた服でイマイチなファッションになっているケースは非常に多く見かけます。
「女性は誰もがおしゃれだ」というのは大きな誤解です。どんなにおしゃれな女性であっても、男性のファッションにまで精通しているということは、まずありえないということを理解することが大切です。私服ならまだしも、スーツスタイルやビジネスカジュアルを女性に任せるのはあまりに無理難題です。
百貨店の店員さんは「販売のプロ」である
そして百貨店の店員さんに任せっぱなしという方も注意が必要です。一見、プロに見える販売員は、あくまで販売のプロであって、ファッションのプロでありません。目的はなるべく多くの商品を買ってもらうことであり、お客さんがビジネスにおいてセンスの良い印象を与えられるかどうかまで真摯に考えてくれる店員さんは極めて少ないのです。
選ぶお店がイマイチだと、どんどん無駄な買い物をしてしまいます。百貨店に入っているお店であれば安心感があるのかもしれませんが、プロのスタイリストの目からすると、イマイチなお店の方が圧倒的に多いです。特にずっと馴染みの店員さんがいて、ファッションは全てその人に任せっぱなしという方は注意が必要です。
どのお店の、誰にファッションを見てもらうのかで、大きく成功と失敗を左右してしまうということを覚えておいてください。
社長はどこで買い物をすべきなのか?
https://www.barneys.co.jp/
まずみなさんにお伝えしたいのは、買い物をするお店を見直すということです。お店やブランドには様々な種類がありますが、その中で本当におすすめできるものは限られています。これも全体の1割未満だと考えてみてください。いくつか具体的に紹介すると、以下のとおりになります。
■バーニーズニューヨーク
■エストネーション
■ビームス
■シップス
これらはどれも「セレクトショップ」と呼ばれるジャンルのお洋服屋さんになります。これらは店員さんのセンスにも信頼が置けますし、置いてある商品のセンスも素晴らしいです。ちなみに百貨店で展開しているブランドには、良くも悪くも「ブランドネーム」が価格に乗っている場合が多いです。プロから見ると、あまりコスパが良い選択とは言えません。
一方で、セレクトショップには、海外の優れたブランドのアイテムが置かれています。それらはブランドネームで価格が高く設定されているわけではありませんので、コスパの良い選択と呼べます。
たとえば、ジャケットであれば「ラルディーニ」や「タリアトーレ」「イザイア」など、ジャケットを専門で作っているイタリアのブランドが存在します。このような本物の服作りを行っているブランドの商品を、上記のセレクトショップでは取り扱っています。
実はファッションにしっかりと理解のある社長さんは、このようなブランドを積極的に使っています。おしゃれな社長には共通言語となるようなブランドがあるということです。そしてそのようなブランドはセレクトショップで売っているということを理解していただきたいと思います。
誰もが知るブランドには注意が必要です
「ブランド」というのは、とても魅力的に映るものです。グッチであったり、アルマーニであったり、バーバリーであったり。確かにこれらのブランドにはネームバリューがあり、惹きつけられるものがあるのかもしれません。それゆえ、これらのブランドで買っておけばまず間違いないと思っている方も多いです。
残念ながら、これらのブランドを上手く活用できる人は限られています。抜群のセンスと、着こなせるだけのスタイルを兼ね備えていなければ、かえって服に負けてしまいます。
その結果、ブランドで服を買い揃えているのに、まったくおしゃれに見えない人が銀座や六本木の街には溢れています。これではおしゃれに見えるどころか、かえって品が悪く見えます。ファッションは着飾りすぎると、かえって印象を落としてしまうということも理解すべきです。
おしゃれな社長さんは、このような「分かりやすいブランド」をなるべく避けます。ブランドネームが前に出るのではなく、先程のような「知る人ぞ知る」、専業ブランドのアイテムを好んで使う傾向にあります。安易にブランドショップで買い物をすればOKという感覚は今すぐ捨て去るべきです。
誰にファッションを一任するのかを吟味する
みなさんが今すぐできることと言えば、いつも買い物をしているお店をいち早く卒業すること。そしてバーニーズニューヨークやエストネーションを始めとしたセレクトショップで買い物をすること。まずはここから始めてみてください。
店員さんに丸投げするのでしたら、百貨店よりセレクトショップの方が断然仕上がりが良いです。「今の時代に合った提案」をしてくれます。百貨店の馴染みの店員さんは、今の時代に合った提案ができない人が圧倒的に多いのです。あくまで販売のプロですから。
奥さんに任せるのではなく、セレクトショップの店員さんに聞いてみる。これが今すぐ出来る一番の近道でもあります。しかし、セレクトショップの店員さんもまた「販売のプロ」であることも頭の片隅に置いてみてください。みなさんが既にどんな服を持っているのか、ビジネスでどんな印象を得たいのか、この辺りまでしっかりと理解した提案を行うことは流石に難しいでしょう。
ファッションを任せられる相手は店員さんだけではありません。プロのスタイリストに依頼をするという選択肢もあります。服を押し売りするのではなく、本当に必要なものだけを、手持ちの衣服と照らし合わせながらお薦めすることができるので結果的には無駄な買い物は減ります。
デメリットは依頼するのにそれなりの費用が掛かることです。無料で服を選んでもらいたいという方にはあまりオススメできません。なるべく短期間に、本質的なファッション改善を行いたいという方には向いています。ファッションを個人の趣味と捉えるのか、ビジネスにおける武器と捉えるのかで、まったく選択肢は変わるはずです。
ファッションを磨くためには、「誰に任せるのか」がとても重要だということをぜひ覚えておいてください。任せる人さえ間違わなければ、ご本人にセンスがなくても、最速でおしゃれを磨くことは可能な時代です。「誰に任せるのか」ぜひこの機会にじっくりと考えてみることをお薦めします。
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