
ファッションに少しでも関心がある人でしたら、「靴には思い切って投資をすべきだ」という意見は一度や二度は聞いたことがあるかと思います。特にスーツスタイルにおける靴の役割は重要です。どんなにスーツスタイルが素敵でも、靴がイマイチだと一気に全体の雰囲気を損ねてしまいます。
特に経営者や起業家、弁護士やコンサルタントなど、人前に立つ方にとって靴というのはしっかりと投資をすべき対象です。正直、一般の会社員の方であれば、靴は「それなりに見えれば十分」です。何より歩きやすさが大切ですし、靴に2〜3万円を掛けていれば十分と言えます。
ブランドで言えば、リーガルやスコッチグレイン。この辺りの靴を履けば、会社員の方であれば十分です。デザインも整っていますし、履き心地も決して悪くありません。でも経営者の場合はどうかというと・・・ もう少し価格帯を上げることが大切です。なぜなら想像以上に足元というのは見られているものだからです。
「足元」は見られている?

なぜ経営者を始めとした表舞台に立たれる人にとって靴は重要なのかというと、見られる機会が圧倒的に多いからです。よくホテルマンはお客さんの足元を見ているなんていう話を聞くことはあるかと思います。もちろんこれも事実ですが、更に言うと、同じ経営者同士でも、相手がどんな靴を履いているのかを実は見られる機会は少なくありません。
本来、足元という後回しにしがちな箇所に、しっかりと気を回せている人には信頼感が漂うものです。身だしなみの一部として、靴にそれなりに投資をして、きれいな状態を保つということは、経営者としての信頼感に繋がるものなのです。手を抜いてしまうのはあまりにもったいないですので、まずは自覚をすることから初めてみてください。
一番高い靴はどれくらいの価格なのか?

では経営者の方は、いくらの靴を買えばいいのでしょうか? その前に、靴の価格帯をざっくりと理解しておきましょう。靴の価格にもピラミットがあります。上は30万円から下は5000円まで。本当に価格帯の幅は広いものです。
お店で買える一番高い靴といえば、「ベルルッティ」が挙げられます。価格は30万円が目安になります。非常に高価ですよね。これは本当にこだわる人向けの靴といって良いでしょう。さすがに僕にはまだ買えません。
ベルルッティの顧客には一般の方はほぼいません。経営者や医師、弁護士など、一定水準以上の年収がないと、とてもじゃないですがベルルッティの靴は所有できません。メンテナンスにもそれなりのお金が掛かるからです。ムラ感のある色合いも素敵ですし、純粋にモノとして美しいのがベルルッティの靴です。
私も個別スタイリングの際にお客さまをベルルッティにお連れすることは時々あります。ただ、ベルルティの靴は肝心のスーツスタイルが整っていなければ履きこなせませんし、ご本人の雰囲気もまた重要です。万人向きではありません。
高級靴でも、見た目は意外と「ふつう」です

ベルルティよりも少し買いやすい価格帯となるのがジョン・ロブです。こちらで20万円前後。僕も1足、知人から譲り受けたものを持っています。ベルルッティと比べるとデザインは良くも悪くも「ふつう」です。これといった特徴はありません。作りの繊細さ、細部の美しさは確かに感じられます。
でも正直言えば、このジョン・ロブの靴が高いかどうかに気づく人はほとんどいません。ブランドの背景や作りの良さがしっかり分かる人でなければ特に買う必要はありません。
ジョン・ロブに加えてもう一つ、エドワード・グリーンも同じ立ち入りですね。デザイン的には割とふつうですが、格の高さを求める方にはおすすめですが、コスパが良い靴ではないかもしれませんが、本当にこだわる人向けの靴と言えるでしょう。
クロケット&ジョーンズが一押しです

もう少しリアリティのある価格帯というのが8万円前後の靴になります。20〜30万円と比べるとお手頃に感じますが、それでも十分に高いです。さすがに一般的とは言えません。でも人前に立つ方であれば、これくらいの価格は思い切って投資をしてもらいたいと個人的には考えています。
ブランドで言うと、代表的なのが「クロケット&ジョーンズ」です。バーニーズニューヨーク、ユナイテッド・アローズ、ビームスなど、大手のセレクトショップであれば必ず置いてある老舗ブランドです。作りに安定感があり、高級靴の入門編とも言えます。
クロケット&ジョーンズはブランド自体の価値も高いですので、ある程度おしゃれな人であれば、この靴だということに気づいてくれるかもしれません。デザインもオーソドックスであり、気軽に取り入れやすいのもポイントです。見た目はABCマートで売っている靴とさほど代わりませんが、革の質感や作りの美しさはよく比べれば分かるはずです。
まずは経営者の方は、このブランドからトライしてみると良いでしょう。しっかりとケアをしながら使えば、平気で7年くらいは使えるはずです。僕も2足所有していますが、満足感の高い靴と言えるでしょう。
国内最高峰の「三陽山長」

中には海外製ではなく、国内ブランドを積極的に使いたいという方もいるかと思います。そんな時には「三陽山長」をお薦めします。価格帯は4〜6万円前後が多いですね。日本を代表する高品質の靴作りをしているブランドです。デザインもオーソドックスですが、細部の美しさを感じ取ることができます。
僕もこれまでに1足履いたことがありますが、履き心地もよく、満足感のある1足でした。国内ブランドで揃えたい方には一押しです。
以上がスタイリストがおすすめする上質な靴ブランドになります。まずはこの中からお気に入りの1足を選んでみることをお薦めします。
どんなデザインの靴を選ぶべきなのか?

靴ブランドを絞り込んだら、続いてどんなデザインを選べばいいのかを理解しておきましょう。もっともオーソドックスな靴とえば、ストレートチップで間違いありません。もっとも基本的な靴ですので、ここにはしっかりと投資をしておくと良いでしょう。きっと長く使えるはずです。冠婚葬祭、どんな場面でも使うことができます。

続いておすすめなのが、このようなパンチングが施されている靴です。ストレートチップに比べると適度にカジュアル感が漂いますので、おしゃれに見えます。これくらいでしたら、堅めのビジネスシーンでもギリギリ通用するデザインと言えます。ストレートチップだと物足りたいという方にはお薦めの靴です。

更にデザイン的な特徴を強めると、このようなダブルモンクがおすすめです。かなり特殊なデザインのように見えますが、昔から存在するオーソドックスな範疇の靴と言えます。おしゃれ上級者にはこのダブルモンク愛好者が多いので、周りと少し差を付けたい方にはおすすめです。
スーツスタイルだけではなく、ネクタイを外したビジネスカジュアルにもよく合います。
このように3つのバリエーションを揃えておくと良いでしょう。色は基本は黒。少し遊びを加えたい場合はダークブラウンをお薦めします。明るい茶色系は着こなしの中で浮いてしまうのでNGです。靴で目立つ必要はありませんので、着こなしと馴染ませるようにしましょう。
靴磨きは必須のメンテナンスです
どんなに素晴らしい靴が揃っても、お手入れのされていない靴では大きく印象を落としてしまいます。可能であれば、ご自身で定期的に靴磨きをしてみてください。理想を言えば週に1度くらいが良いタイミングなのですが、1ヶ月に一度でも構いません。必ず時間を取って靴磨きをしてみてください。

ただし、「なかなな靴磨きする時間がない・・・」という方も多いかと思います。そんな時にはプロにお願いするのが一番の近道です。以下にお店を挙げさせていただきます。
■ミスターミニット
https://www.minit.co.jp/service/shoe_polish/
もっとも身近な靴の修理専門店。最近では靴磨きもやってくれます。
■ブリフトアッシュ
http://brift-h.com/
世界一の靴磨き職人としても有名な長谷川さんのお店です。こだわりの一足をとことん磨き上げたい方にはおすすめです。配送も承っているようです。
手軽に済ませるか、とことんこだわるのか。この2つのお店を知っておけばどちらにも対応できます。手入れをしなければ、どんな高級靴も「ただのボロ靴」です。ぜひ定期的にケアをして、きれいな状態を保ってください。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 今回は経営者・起業家は靴にいくら投資をすべきかというテーマを取り上げてみました。結論、高すぎる靴を持つ必要はありませんが、4〜8万円の中で、ご自身の足に合うものを選ぶことをお薦めします。
良い靴はしっかりとケアすれば長く付き合えるものです。大きな流行の変化もありませんので、最低3足は揃えて、1日履いたら2日は休ませながら、ローテーションを組むと長く使えるでしょう。理想は5足あれば十分です。ぜひ今後の靴選びの参考にしてみてください。
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